英語が話せる人なら一度は職を選ぶ中で「英会話講師になりたい」と思ったことがある人も多いのではないでしょうか。
数年前にはドラマで石原さとみさん演じる英会話講師のドラマもありましたよね。あんなのを見ると、非常に楽しそうで華やかに見えます。
もちろん、英会話講師は楽しいです!レッスンを教えるのは本当にやりがいありますし、興味のある人には是非チャレンジして欲しい職種でもある。
ただ、 華やかな舞台の裏側にはハードな現実もつきもの。元大手英会話スクールで働いていて、現役英会話講師の筆者が全てを徹底解説します。
●目次●
英会話講師のやりがいとは
英会話講師になりたい人は、やりがいを求めている人もかなり多くいると思います。その点はバッチリです、めちゃめちゃやりがいがあります。
具体的には、 全然話せなかった生徒さんが自分が教えたところをしっかり忠実に守り上手に話せるようになったり、1年教えたあとに「先生のおかげで英会話に来るのが苦痛じゃなかった」とありがたいフィードバックもらったり。
時には「英会話スクールで教えてもらったおかげで国際結婚できました」なんて感謝の言葉をいただくことも。
そもそも、自分が話す英語をみんながリピートしてくれるだけでやりがいあります。自分の言葉をまるっと真似してくれるなんて、現実にはありませんからね。
英語を使う職種の中でもやりがいはTOP3に入るのではないかと思います。色々経験した筆者からすると。
英会話講師の大変さは?
やりがいはあるものの、やっぱり大変なお仕事です。あくまで接客業務ですので、クレームをもらうこともありますが、例えばグループレッスンだったら、 和を乱す生徒さんがいて、でもその人をあしらうこともできないし、他の生徒さんを不快にすることも免れない時もある。
一度きりの接客ならまだしも、英会話スクールは基本的に「通う」ので、長いおつきあいとなります。なので、上手に生徒さんと人間関係を保つことがマストとなります。
非ネイティブだからこそ、一生勉強が必要
あとは、 非ネイティブである以上、英語の勉強は一生続けなければいけません。細かい文法にこだわる生徒さんからの質問も、答えられないといずれ不信感に変わったり、クレームになることもあるからです。
これは実は帰国子女の方も同じ。むしろ帰国子女の方は英語を一から勉強で覚えたわけではないので、意外と細かい文法の説明が苦手だったりします。
レッスン準備が勤務時間外にしないといけないことが多い
大手英会話スクールで講師をしていたときもそうですが、結局人前に立っておよそ60分〜90分教えるわけですから、入念に準備をしなければいけません。
なれれば準備時間(よくプレップと呼んだりします)は短縮はできますが、それでもいいレッスンをしようと思えば必然的に準備にも労力がかかります。
英会話講師になる際に覚悟しないといけないこと
大変さは伝わったかと思うのですが、実は覚悟をしておかなければいけないこともあります。
英会話講師になる際に覚悟しないといけないこと①遊びに行きにくくなる
まずは夜が遅い
英会話スクールは夜、週末がピークに忙しい時間帯です。やはり仕事終わりに通われる生徒さんがほとんど。なので、だいたいのスクールの募集は早くても21時までの勤務になっているはず。
実際には21時ぴったりで帰れるスクールは少なく、生徒さんのレポートを書いたり、次の日の準備をしたりと帰宅はかなり遅くなることを見込んでおくべきです。
私は英会話講師を始めてすっかり夜遊ぶことが少なくなりました。気軽に仕事終わりにご飯なんて行けるのは休みの日ぐらいなので、貴重な休みの日を夜だけごはんにしていいかも考えものになってしまうことも。
土日の休みが取れないスクールもあるので注意
週末は掻き入れどきです。休みは平日のみなんてスクールもあるようです。担任制のところであれば一度決めたシフトは少なくとも1年間変わらないので、勤務開始時に必要な方はどちらかの週末の休みを死守することをお勧めします。
英会話講師になる際に覚悟しないといけないこと②ほとんどは非正規雇用
ここが英会話スクール業界の闇でもあるところですが、 正社員採用なんていうのは稀です。だいたいは良くて契約社員、講師のみで働きたい場合は、レッスンの教えた時間しか時間給がつかないことが多い。
ついたとしても何分かの事務作業くらい。となると、時給の見た目は良くても、実際食べていくには薄給になることも結構あることを覚悟してください。
「社員採用がある」と飛びつく前に、条件もよく確認して
また、社員採用のところもちゃんと事前に見ておくべきなところは「講師のみの業務」なのか「講師、スクール運営」の両方を課せられるのか。
スクール運営部門が入ると何が入ってくるかというと,いわゆる「営業」のようなことをしなければいけないことがほとんど。ティッシュ配りをしている学校もあるし、それがなくとも、カウンセリングに来られたお客さんを入会にどれだけ至らせるかの指標を引かれてることも多々あります。
クレームや継続率なども見なければいけないので、やることは山積み。もともと始業時間が遅いので、終わってからの対応を考えると日をまたぐことも珍しくありません。実際私が働いていた大手英会話スクールでは、契約社員採用された人の半分ほどが三年以内に辞めているような印象でした。(場所にもスクールにもよるとは思いますが)。
英会話講師になるには
英会話講師になるのって、一瞬躊躇してしまいますよね。人前に立って、1時間以上お金をもらって教えるとなると、ビビるのも当然です。
ですが、 「案ずるより産むがやすし」とはこのこと。やってみればできるものです。そして、業務内容が代返だからこそ、割と求人はいつのシーズンでも簡単に見つけることができます。
あとは、 教えるスタイルだったり、強化する部分だったり、自分にとって「この部分は英語の中でも得意!教えたい」と思うもののところに応募すること。例えばTOEIC990点もっててTOEIC得意だけど会話は苦手なのに、会話オンリーで教えているところに行くと苦労するかもしれませんよね。
今ではTOEIC専門校もたくさんあります。そういう風に、カテゴリわけがされたスクールもあるので、下調べをし、働くときはどんな感じなのかを面接で徹底的に聞き、臨むこと。
一社落ちても他もあるので、「向いてないかも」と思わずにチャレンジし続けてくださいね。
英会話講師の年収
これはずばり幅が広い・・・。でも大体が非正規雇用であることを考えると、 月よくて手取り22万~25万くらい、なので平均化すると300万もないのが現実です。(私は手取り25万も頂いたことが英会話講師としてはございません。)
この年収も、フルで講師をしたとき、もしくはその他業務もしたときの換算なので非正規で夜しか仕事がない・・・となるとこれよりも低くなってしまいます。そうなると、生きていくにはもう一つ業種と掛け持ちした方がよさそうですね。
上記でわかる通り、時給で出しているところは一見はぶりがよく、稼げるんじゃないかと思うんですが、実際には300万あればいいほうです。これ以上を目指すなら、学校運営にがっつり携わらないと難しいです。まだまだダークな業界です。
ただ、やりがいはあります。まあそれゆえ、「やりがい搾取」になっているところも多いので、とにかく下調べをしっかりしたうえで、英会話講師になりたかったら応募するようにしましょう。
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