一人暮らしで猫は飼えるのか?大の猫好きが真剣に説く

1人暮らし猫

一人暮らしをしていると、帰っても真っ暗で、誰も待ってくれてなくて、思わず「ペット欲しい」ってなる方も多いのではないだろうか。

そして最近では犬よりも猫の方が選ばれる時代になっている。猫の方が手がかからないし、コストもかからない。家を開けることもそこまで苦じゃないといったところが理由だろう。

筆者自体も一人暮らしは長く、すでに7年めに突入している。大の猫好きで、飼ったことないのに、友人が旅行に行く際は喜んで休みを取ってお預かりするレベルだ。

一人暮らしで猫を飼うことは可能か?周りの話と知見から本気で考えてみたので、ぜひ検討している人は読んで欲しい。

一人暮らしで猫は飼えるのか?

1人暮らし猫は飼えるのか

結論だけ持ってくると「人による」。こんな簡単な話で終わらせるつもりはないが、結論から言ってしまえばこうなる。

普通に毎月収入があって、家があって、餌を買う余裕、トイレを変える余裕があれば物理的には可能だ。

だが、 絶対にそれだけで、寂しいし飼っちゃえ、とはならないでほしい。

本当にはらわたが煮えくり変える話だが、そうやって軽く飼って、「飼えなくなった」で手放す(保健所に行けばころされる)最低な飼い主は後を絶たない。

こんな事実は見たくもないが、こんなデータがある。

2018年4月~2019年3月の1年間で、10,523頭の成と、20,234頭の子猫が殺処分されました。

 

もちろん、儲けしか考えない悪徳ブリーダーの多量繁殖なども原因だが、こう言った無責任な飼い主が後を絶たないのだ。

 

こうならないために、私も悩みに悩んだが、今は私は自分には「資格がない」と判断した。

 

今までに調べたこと、聞いた話を元に、「一人暮らしで猫を飼う資格があるか」判断する基準を考えてみたので、 飼うことを検討している人は一度しっかり読んで見てほしい。

 

一人暮らしで猫を飼う資格があるか基準その①万が一飼えなくなった時の当てはあるのか

1人暮らしで猫は飼えるか
いきなりな質問だがこれが正直一番大事だ。保健所に送るというのは、ころすのと一緒。日本の法律はまだまだ動物が「所有物」の扱いだから殺「処分」なんて言葉を使っているが、 結局は殺害なのだ。
そうならないために、万が一自分に何かがあった場合、引き受けてくれる先があるかまで考える必要がある。

 

たとえ自分が責任持って飼うと思っていても、病気になって飼えなくなるかもしれない。死んでしまうかもしれない。

 

海外転勤を言い渡されて、連れて行けない国にいくかもしれない。結婚して、相手が重度の猫アレルギーで無理かもしれない。

 

子供が生まれて、子供が猫アレルギーでどうしようもなくなるかもしれない。

 

「ありえない」と思う人もいるけど、知人の中には譲り受けた猫の元の飼い主に、そう言った理由で手放した人もいるのである。
だから、何かが起きても、ちゃんとその子の受け入れ先があるか、受け入れてくれるのかの話は絶対にしておかなければいけない。確実な明日なんてないんだから。

 

一番頼りやすいのは実家だろう。私が猫を飼うのを諦めた理由はまさにこれだ。実家が猫を飼えない。飼えない家に住んでるし他に小動物がいる。そうなると、 友人で確実に引き取ってくれる人がいれば別だが、まずやめておいた方がいいだろう。

 

一人暮らしとは、この先の人生がまだわからない人が多い。結婚していれば、新たな登場人物は子供、同居する親くらいだろうが、結婚相手もわからない、転勤があるかもしれないとなると未知数なのだ。

 

厳しいことをいうが、私と同じようにこの「実家が頼れない」「知り合いに喜んで引き受けてくれる人がいない」のであればやめておいた方がいい。

 

一人暮らしで猫を飼う資格があるか基準その②何かあったときに時間の融通はきくのか

時間
一人暮らしであるのが、「仕事だから猫の不調を週末まで先延ばしで待つ」ということ。

 

動物は基本的に捕食される危険性から身を守る性質があるため、弱っていてもあまり出さないことが多い。それでも不調がわかっているということは、結構ひどい場合だってある。そんなとき、数日先延ばしするだけで、重症化、命を落としてしまう危険だってあるのだ。

 

ちゃんと 自分で職場に「猫を病院に連れて行ってから出社します」といざというときに言える覚悟がないのであれば、それは今飼えないということになるだろう。

 

代わりに誰かすぐに対応してくれる恋人や親、時間の都合の付く友人がいれば別かもしれないが、基本的には自分で対応できる余裕が欲しいところだ。

 

一人暮らしで猫を飼う資格があるか基準その③経済的に大丈夫か

money
犬と比べるとコストがかからないとよく言われますが、それでも生涯にかかるお金は100万円程とも言われている。

 

健康ならば餌台、ワクチンやトイレの砂、おやつといったところだが、残念なことに猫ちゃんは腎臓が悪くなるケースがかなり多い。

 

こういったデータもあります。
アニコム損保調べ(※)によると、1頭あたりの年間診療費の平均値は272,598円でした。
保険に入ればカバーもしてくれる範囲もあるものの、何か起きたときに、お金がないから命を助けてあげられない、は死ぬほど後悔するだろう。
なので、やはり金銭的に厳しい人も、今は諦めるべきだ

 

一人暮らしで猫を飼う資格があるか基準その④家は大丈夫?

猫
ペット可のマンションは確かに増えている、が、その多くが猫は対象外なのを知っていますか?
業者が猫を嫌うのは、引っ掻くから。建物の柱などに傷をつけられると、安全面も含め修理が大変なのである。

 

「じゃあこっそり飼えばいいやん」と思う人もいるかもしれない。が、実際そうやってこっそり飼っていたのが家主に見つかり、飼えなくなったという人もいるのが現実。

 

飼えなくならなくても、修理費がバカ高くなることはあり得る。壁紙全張り替えとか。

 

猫を賃貸で飼っている友人に聞くとそこは「折り込み済み」だそう。退去時に壁紙はきっと張り替えなきゃいけないね、と腹をくくっている。

 

「こっそりお金もかけずになんとかできるだろう。じゃなきゃ無理」という人は、経済面の話と同じですが、今はまだ飼う資格はありません

一人暮らしで猫を飼う資格があるか基準その⑤不在時の対応はできるのか

1人暮らし猫飼えるか

1人暮らしという事は、独身ということになりますが、そうなると多いのが旅行。筆者も旅行は大好きです。

そうなっても、猫は犬と違って連れていくことはできない。できたとしてもかわいそうだから、お留守番させてあげるのが一番。

となるとペットホテルに預けるか、シッターを雇うか、知り合い、家族に見てもらうかになる。正直なところ、猫は古来から「家につく」と言われるくらい、環境が大事なので、できればペットシッター、家族や知り合いに見てもらうという選択肢をとってあげてほしいところ。

ペットホテルはストレスがかかるうえ、経済的にも結構しんどいです。だからって何日も家を空けるなんて、もし何かあったらどうするんでしょう?

なので、猫好きの友人がしっかりいるとか、 親が近くにいるとか、頼めるあてがない人も、飼うのは時期尚早と言えるのではないだろうか。

私は自分ではまだ飼う資格がないので、しょっちゅう猫を飼っているお宅にお邪魔してます。そしてその人たちの不在時には代わりに喜んで面倒見るよという話もしています。

旅行は行かないという人も、もし入院するとなったら?ちゃんと万一のことは考えてみて下さい。

めちゃくちゃ不快かもしれませんが、聞いてください

猫が好きで買っても、何らかの理由で飼えなくなるという事は世の中では起きています。ちゃんと可愛がってくれる後任がいるならいいですが、そうでない人で「かわいそうだから」という理由で外に置き去りにしたり、保護猫カフェの前においてみたりというひどい人たちもいます。

自分の子供時代を思い出してほしい。 両親が「育てるのが難しくなったから」って思春期のあなたを放り出したりしましたか?夜泣きがうるさいから近所に文句言われてもう「飼えない(育てられない)」と簡単に捨てましたか?

人間だって動物だって命は同じです。なのにどうして動物だと「かわいそうだから」と偽善者ぶって精一杯手放す前に頑張ったみたいな文言で切り抜けようとするんでしょうか。

「失業して経済的に無理になった」「家主に見つかった」「恋人が猫アレルギー」「生まれた子供が猫アレルギー」「トイレが上手にできない」などなど、人間の勝手な理由で捨てられる猫は後を絶たない。

本当に「仕方ない」というのなら、後任を見つけるのは当たり前の責務。もし、それすらできないなら、自分の目で、最後殺されるまで見届けるべきです。自分がどれだけのことをしているのか知るべき。本当に腹立たしい限りです。捨て猫の行く先が保健所というのは本当によくある話。野良猫は見かけられて通報されたら、保健所行なんです。

保健所で運よく引き取られる猫も一部はいますが、ほとんどはガス室に入れられ、殺処分になるんです。

ここまでしっかり知ったうえで、 猫は最大20年ほど生きる子もいるので、それも踏まえて最後まで責任とれると自信を持てて、かつ、上記の条件にあてはまる人は、一人暮らしでも飼う資格があるといえるのではないでしょうか。

どうか1匹でも不幸な猫ちゃんを減らすため、周りにも独り暮らしで「ただ寂しいからとりあえず猫飼おうかな」みたいに言ってる人がいたらしっかり話を聞いて、ダメそうなら止めてあげてください。殺処分の話もしてあげてください。本当に最後まで責任持てるのか、と。

今回はきつい言葉で書きましたが、いつかちゃんと殺処分ゼロの日が来ますように。そして私も結婚したらすぐ猫飼いたい(猫好きとしか結婚しません)。